味わい 楽しむ |
天乃うずみです。日本人のからだから生まれた舞踏は、ささやかでも人をしあわせにする力があると私は信じています。自分のことよりも、相手のことを気づかう気持ちが根底にあり、どちらが主役でどちらが脇役というわけでない素敵な情景を生み出してゆくからです。
風景やみんなといっしょに
せわしくせわしく明滅しながら
いかにもたしかにともりつづける
という宮澤賢治の言葉だよ、と私の師である友惠先生はいつもいっています。
家の前に大きなケヤキの木が立っていて、私は中学生の頃からよくその木に元気付けられていました。激しい風に枝が折れそうなくらいに右に左にと揺さぶられていても、吹かれるがままにしなやかに大きくたわんでいる光景に、木はすごいな〜と驚き、あんな風に生きてゆけたらとあこがれて眺めていました。まさかそれから何年も後になって踊り手になって「一本の木の物語」という作品の木を踊ることになるとは。
レッスンでは、環境世界の中のからだを味わうために、たとえば「お地蔵さん」になる、というものがあります。石の素材感をとらえて、そこに太陽の光があたる状態や、石の肌に雨が染み込んでいく感覚をリアルにイメージしてみます。小川のせせらぎの音や足元の小さな草にも意識を広げて、環境のなかのからだを楽しんでみます。
環境の中で生きて、生かされている。私の30年の舞踏経験を生かして、からだの面白さを多くの方に味わっていただきたいと思っています。誰にでもあるからだの感覚を発見して楽しんでみたい方は、どうぞレッスンにいらしてみてください。
レッスン内容の例 | ||
からだの感覚 | 花の香りや味覚による表情変化 からだの境界線 | |
環境とからだ | 環境を受け入れ生かされる | |
イメージ | からだの外にあるイメージを味わう | |
コミュニケーション | 音や共演者、部屋の空間と感応しあう | |
臍下の一点 | 上半身と下半身の連動 など |